はじまりとおわり
絵本『葉っぱのフレディ』には、
主人公である葉っぱのフレディの一生が、
まるで人間の一生のように描かれている。
春は若葉を輝かせ、
夏は木陰をつくって涼を与える。
秋は紅葉で皆の目を楽しませ、
冬は大地にかえって
新しい命を育てる力になる。
人生には、
その時々に美徳があることを、
物語は示唆している。
そして、
人生には
始まりがあって
終わりもあることを。
年を重ねるにつれて
日々を充実させようと
決意し
行動する人は多い。
私の周囲の先輩たちは
自分の人生を生きて
それを充実させている人が多い。
その秘訣を訊いてみたことがある。
その方は笑って
年を重ねると
人生の終わりを意識できるようになるからだと言った。
スティーブ・ジョブズも死を意識するようになってから
日々を充実できるようになったと自伝に書いてあった。
逆から言えば
若いうちは
人生が永遠に続くような錯覚をして
日々を無駄に過ごしてしまう人もいるということだ。
実際は永遠ではないのだけれども。
終わりを意識することで
今を大切にすることができる。
これは人生だけでなく
受験だって同じだ。
直前まで
合格圏に一度も入ったことのない受験生が
奇跡的に合格するような話はたくさんある。
それは、
直前になってはじめて
終わりが意識できたからだ。
それまでは
まだまだ先のように考えていた受験本番が
ひたひたと近づいてきていることが
リアルに実感できるときがある。
そのとき
はじめて
本当の受験生になれる。
早ければ早いほどいいのだけれども
寒くならないと
気付けないような
鈍感な受験生もいる。
今日は南部校長会テスト。
明日から
入試カウントダウンをはじめよう。
カウントダウンを見ることで
気付く受験生は毎年いるから。