賢さと優しさ
アマゾンを創設したジェフ・ベゾス氏が、
10歳のころ、大好きだった祖父母と旅をしていた時の話を紹介したい。
暇を持て余すベゾス少年は、
当時、よく耳にした公共広告を思い出した。
たばこを一服吸うごとに、何分寿命が縮まるかという内容だった。
祖母は、たばこを吸う人だった。
少年は計算して、得意げに、祖母の寿命が9年短くなるはずだと告げた。
祖母は泣きだした。
がんと闘い、余命が長くなかったのだ。
祖父は車を止め、少年を外へ誘った。
叱られると思いきや、祖父は優しく語り掛けた。
「ジェフ、賢くあるより優しくあるほうが難しいといつかわかる日が来るよ」
人を悲しませることは、たやすい。
何の配慮もなく、思いつきや感情を、そのまま語っていればいい。
しかし、人を安心させ、幸せにするには、心の労作業がいる。
それが本当の「賢さ」かもしれない。
多くの知識を吸収し
テストでよい点数を取り
レベルの高い学校に進学すること、
それも大事なこと。
でも、それだけじゃ不十分だってことだ。
上から目線とか、マウントを取るとか
そんな言動をする人はいないだろうか。
会場テストの休み時間などでも
偉そうなことを言う受験生がいると思う。
昨日の中3北辰テストでもいたんじゃないかな。
自分のことしか考えられない人だ。
でも、本当に賢い子は
そんな人の発言を他山の石とする。
賢い子は負けず嫌いな子が多いけど
同じ土俵で言い返したりはしない。
弱い犬ほどよく吠えるって知っているから。
無知の知が自覚できているから。
にっこり笑って聞いているけれど、
心の中ではこう思っている。
あんな奴に負けられない!
帰宅後、机に向かって自分を鍛えるキモチが湧き上がってくる。
他人のマイナス行為を原動力に成長できてしまうのだ。
賢くあるよりも優しくある方が難しいことも理解できている。
そんな人ってすばらしい。
子どもたちには、そんな人に成長してもらいたいと思う。