本当のやる気スイッチ
脳研究者の池谷裕二さんはやる気についてこう語る。
やる気スイッチは実は脳のなかに存在する。
その名は淡蒼球。
これが活発に動くと、やる気がみなぎる。
だが困ったことに、このスイッチは自分の意志でオンにできない。
脳の別の部位を刺激する必要がある。
一つの方法は、とにかくまず「体を動かすこと」。
やる気は出るまで〝待つもの〟ではなく、
行動を起こすことで〝迎えにいくものの〟だという。
〝始めたら半分終わったのと同じ〟とよくいわれるが、
それを裏付ける話だ。
もう一つ、池谷裕二さんが興味深いことを語っている。
「でも、実は身体を動かさなくても脳にスイッチが入る、
ちょっとおもしろい方法があるんですよ。
頭頂部に意識を集中させるんです。
まずは目を閉じて、
テニスボールでもリンゴでもミカンでも、
とにかくそれくらいの大きさの球体を頭の上に乗っけて、
ゆっくり手を離して目を開ける。
そうするとスムーズに行動を開始できるんです。
そもそも人間の意識は分散しています。
ひとつのことだけに集中していると、
外敵に気付けなかったり事故に遭ったりしてしまうからです。
しかし私たちには、仕事や勉強など集中力が必要な場面がある。
そんなときは、強制的に視野を狭めるこの方法が有効なんですよ。
競走馬が前方だけに集中できるようマスクを付ける原理と同じです。
視野を遮り、頭頂部に意識を集中させることで目を開けたとき、
目の前のタスクに自然と取りかかれる状態=集中力が高まった状態がつくれるのです。」
やる気が出ないと嘆いている人はいないだろうか。
嘆いている時間がもったいないだけだ。
頭に丸いものをのせて、
さあ、行動だ!