戦後間もない頃、留学先のアメリカで肺結核を患った日本人女性がいた。

 

療養のため、カルフォルニアの結核療養所に入院することになった。

 

滞在していたニューヨークからの移動は、

 

特急の寝台列車で4泊5日を要した。

 

療養所の最寄りの役は、終点手前の駅。

 

特急は停車しないため、

 

終点からバスの移動を予定していた。

 

ところが、終点に近づく前、

 

緊急停車する車内アナウンスが流れた。

 

 

 

彼女の容体を心配した乗務員たちが、

 

鉄道省本部に療養所の最寄りの駅で停車する了承をもらっていたのである。

 

下車する彼女に、

 

乗客たちは次々と励ましの言葉を掛けた。

 

療養所の彼女のもとに、

 

「あの列車の一乗客より」

 

と記されたプレゼントが届くこともあった。

 

 

この出来事は、乗務員たちが苦しむ彼女に寄り添うことから始まった。

 

その真心は、乗客たちの心も動かした。

 

 

 

 

 

その女性は国際的な人道支援活動に力を注いだ犬養道子氏。

 

祖父は5.15事件で暗殺された犬養毅氏。

 

この出来事も人道支援活動をやろうと思うきっかけになったのだと思う。

 

思いやりは、目の前の人を勇気づけるだけでなく、

 

周囲に支え合う心を広げる。

 

心を打つのは、どこまでも心だ。

 

授業、面談、いろいろと重なり合っていくが

 

一期一会の気持ちを忘れないでいたい。

 

今日から10月が始まる。

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