破竹
源氏と平氏は1184年の旧暦2月7日、現在の神戸市付近で激突した。
「一ノ谷の戦い」である。
この合戦での「鵯越の逆落とし」は有名だ。
平氏の陣営の裏手に回った源義経が、
断崖絶壁の山側から駆け下り、一気呵成に勝負を決した。
『平家物語』によれば、義経は案内人に
「鹿はこの道を通るか」と尋ね、
「鹿が越えるなら馬も越えよう」と自ら先陣を切る。
突如現れた敵勢に、
平氏は混乱して敗北。
義経は、態勢の立て直しを図る平氏に、
屋島、壇ノ浦で連勝し、
電光石火で源氏の時代を切り開いた。
“破竹の勢い”という言葉がある。
竹の節を1カ所割れば一気に全体が割れるように、
ここを突破すればすべてを勝ち抜ける“急所”がある。
義経にとっては、一ノ谷がそうだった。
本番間近の受験生、
合格点を取るだけの知識はあるのだが
試験時間内に解き切らないことも。
解く順番、時間の使い方、慎重に読みたい気持ちも分かるのが、速読を意識することなど。
あとはそこさえ突破できれば大丈夫。
あと少し、この状況を楽しもう。
夜明け前が一番暗いというけれど
「暗闇でしか見えぬものがある
暗闇でしか聞こえぬうたがある」
ひたむきに取り組んでいる今の自分にしか感じることのできないもの
それは人生の宝なのだから。