二百十日

「二百十日で来たのだな。」

 

「やっぱりあいつは風の又三郎だったな」

 

そう噂する村の子どもたちを騒動に巻き込んで

 

少年は十日後、また、風のように転校していく。

 

宮沢賢治「風の又三郎」だ。

 

 

 

「二百十日」は立春から数えて210日目の日。

 

毎年9月のはじめにあたる。(今年は8月31日だ)

 

稲の開花期にあたり、

 

台風が相次いで襲来するとされてきた時期だ。

 

転校生が見立てられた「風の又三郎」も

 

暴風が擬人化されたものなのであろう。

 

 

 

 

夏目漱石の「二百十日」という作品がある。

 

青空文庫にもあり、

 

あまり長くないので読んでみてほしい。

 

この作品も立春から二百十日を過ぎて

 

台風シーズンとされてきた9月に

 

阿蘇山で嵐に遭遇した実体験を基にしている。

 

 

 

 

「文明が進めば進むほど

 

天然の暴威による災害が

 

その鮮烈の度合いを増す。」

 

漱石の教え子だった寺田寅彦は

 

都市化による被害の甚大化に警鐘を鳴らした。

 

しかし、昨今の自然災害の激甚化は

 

寅彦の想像をはるかに超えているのではないだろうか。

 

 

 

 

 

 

私の住んでいる市では防災ラジオを無償貸与していると広報にあった。

 

市役所に行ってゲットした。

 

窓を閉めているとよく聞こえない放送がしっかりと聞こえてくる。

 

 

 

 

気象庁の研究では

 

温暖化が進行すると

 

今世紀末には

 

猛烈な熱帯低気圧の出現頻度が増加する可能性が高いという。

 

温暖化と熱帯低気圧の猛威には

 

相関関係があるから

 

因果関係があるとは言い切れないが

 

備えは必要だ。

 

いずれにしても風の又三郎にはあまり暴れてほしくないものだ。

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