油断大敵
松下電器産業(現・パナソニック)には
製品の出来を調べる「検査本部」があった。
ある時期
不良品の発生率が高まったため
創業者の松下幸之助氏が
検査本部の責任者に説明を求めた。
それによると
2年前までは完成品をテストしていたが
生産体制を整えてからだと
損害が大きくなってしまうなどの理由で
設計・試作の段階での検査に切り替えた。
これを聞いた氏は言う。
“その方法が不良品を生む原因になっている”
本来、各分野を担当する事業部が
最後まで責任を持って「命がけ」で
物づくりをしなければならない。
しかし、途中で検査本部が「お墨付き」を与えることで
油断が生じる。
それが不良品発生の原因であると諭したのである。
受験の世界にも同様のことが言える。
模試の偏差値や合否判定に
一喜一憂する人がいる。
模試はあくまで模試であり
本番の試験ではないし
似て非なるものである。
いや、似ているかどうかは終わってみなければわからない。
人を頼ると
知らないうちに
“心の隙”が生まれてしまう。
逆に、自分が全ての責任を持つと腹を決めれば
新たな視野が開け
思ってもみなかったような力が湧いてくるものだ。
一切の油断を排し、“勝利の決定打は私が!”との気概で挑みたい。