虫
夏だから塾の中にだって虫が入ってくることがある。
そうするとキャアキャアと騒ぐ生徒も出てくる。
どちらかといえば女子の方が虫嫌いは多いのだが
最近は男子も虫嫌いが増えてきたと思う。
クワガタをさわれないという小中学生もいる。
「虫のことは無視しなさい」とダジャレでかわそうとしても
無理なときは、キャッチアンドリリースをする。
昨日の授業でもそんな一コマがあった。
さて、昆虫は地球上に100万種以上。
日本では3万2000種が記録され、
10万種以上の生存が推定される。
なかでも、テントウムシ等の甲虫は最も多種多彩。
体長2センチに満たないセンチコガネは
色鮮やかな金緑の光沢を放つ。
ダイコクコガネの雄は
立派な角まで持つ。
ただし、いずれも家畜などの糞をすみかとする糞虫だ。
昆虫学者ファーブルは
彼らを観察し
「大きい奴小さい奴がごた混ぜになって
共同のお菓子の中から
自分の分け前を切り取ろうとひしめいている」
と、懸命に生きる虫たちをユーモラスに記した。
朝ドラの主人公の植物学者のセリフで
「雑草という名の植物はない」というものがあるが
「虫という名の虫はいない」も同様に正しい。
注意深く観察すれば
小さな昆虫の世界にも
大宇宙のドラマが息づいているのだ。