林芙美子さんの「放浪記」は

 

貧しいけれども、しなやかに生きぬいた

 

彼女の自伝である。

 

舞台化もされて、森光子さんは2000回以上も主演を務められた。

 

現在は仲間由紀恵さんが演じられている。

 

「花のいのちは短くて・・・」という有名なセリフがある。

 

正確には以下のようになっている。

 

風も吹くなり 雲も光るなり

 生きてゐる幸福は 波間の鴎のごとく漂渺とたゞよひ

 生きてゐる幸福は あなたも知ってゐる 私もよく知ってゐる

 花のいのちはみじかくて 苦しきことのみ多かれど

 風も吹くなり 雲も光るなり。

 

 

 

 

 

 

花のいのちは短くて・・・

 

花は咲くまでにかかる時間に比して

 

咲き誇れる時間は短い。

 

花にはいろいろな解釈があると思うけれど

 

「合格」とか「成功」の象徴としての花を想像してみてほしい。

 

受験での合格や仕事での成功は

 

それまでの苦労の時間にくらべて

 

花が咲いている時間は短い。

 

受験でいえば

 

合格発表のときのガッツポーズの瞬間に開花したとする。

 

世界中が祝福してくれているような喜びに包まれているのも

 

ほんの数日だけだろう。

 

そして次の花の準備にとりかかるために

 

徐々に日常に戻っていくものだ。

 

たまに咲いた場所に立ち続け

 

そのドライフラワーを

 

何十年も持ち続けている人もいるけれど。

 

 

 

 

 

 

世の中の多くの人が勘違いしていることがある。

 

花は何度も咲かせるものだということだ。

 

咲かせるために苦労するから躊躇する人もいるかもしれない。

 

そんな人には、芭蕉の次の句を紹介したい。

 

としどしや 桜をこやす 花のちり

 

年年歳歳花が咲き

 

その花びらが根元に落ちて

 

やがて肥やしとなって木を肥やす。

 

これによってこんなに見事な花が咲いている。

 

ぜひ自身の経験を肥やしとし、

 

美しい花を毎年咲かせ

 

その繰り返しによって

 

大木となられんことを。

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