環境
新しいクラスはどう?
新年度がはじまったこの時期は、
子どもたちにこんなことを訊いてみている。
こたえは人それぞれだけど
よくきくのが
「いいメンバーがそろっている」という感じのもの。
おそらく、相性の悪い人がいないということだろうか。
確かに、自分にとって相性の悪い人が同じクラスにいると
そっちに神経を使ってしまったり
気が滅入ることもあるかもしれない。
だから、クラスのみんなが同じような
タイプだったり
価値観を持っていればいいのにと
思うキモチも理解できる。
植物の世界の話だけれども
地震、火災、台風に負けない、
1000年続く“本物の森”をつくるには、
いろんな木を不規則に植えることが重要だ。
そして、それぞれに多少の我慢を強要し、
競争させながら、共生させる。
これが健全な生物社会の掟。
画一化、悪平等は不安定で長持ちしないのだ。
こう語ったのは
「日本一多くの木を植えた男」として知られる
植物生態学者の宮脇昭さん。
「混ぜる、混ぜる、混ぜる!」
宮脇さんが、木を植える時の口癖だ。
人間の世界だって
一人一人の生い立ち、環境、性格……と多種多様だ。
同じタイプの人間だけで
一生過ごせることはない。
互いに違いを尊重し合ったり、
励まし合うからこそ、
自らの「個性」も磨かれ輝く。
さあ、今いる場所を
もっともっといい場所にしていこう。