司法試験
昨日は司法試験の合格発表だった。
小中学生にはまだ先の試験だけど
最近は以前とすこし事情も変わってきているので
今日はそのことにも触れておきたいと思う。
裁判官、検察官、弁護士の法曹三者になるためには
司法試験に合格しなければいけない。
司法試験に合格するためには
大きく分けて2つのルートがある。
1つは大学卒業後に法科大学院に進学すること。
法学部卒業者は2年、未習者は3年通った後、受験する。
もう一つは、予備試験コース。
法科大学院に進学しなくても、司法試験受験資格を得られる。
法科大学院は経済的・時間的コストが大きいため、
経済的・時間的コストを大幅にカットして法律家になることが可能だ。
これらの2つのルートではどちらを選んだらよいだろうか。
その答えは人それぞれだが、
今年度の合格者の内訳を表している下の表を見て
それぞれがどうするべきか考えるといいだろう。
2021年司法試験の合格者数は、
「予備試験合格者」が374人で最多となっている。
一方、合格者を出せなかった法科大学院は19校あり、
このうち6校は受験者がいなかった。
合格者数を受験者数で割った合格率は、
「予備試験合格者」が93.50%で最高となり、
「愛知大法科大学院」66.67%、
「京都大法科大学院」61.62%、
「一橋大法科大学院」58.18%、
「慶應義塾大法科大学院」55.07%が続いた。
「予備試験合格者」374人を職業別にみると、
「大学生」が153人ともっとも多く、
「法科大学院生」105人、
「無職」44人、
「会社員」31人、
「公務員」18人等が続いた。
また、最終学歴別にみると、
「大学在学中」が155人ともっとも多く、
「法科大学院在学中」105人、
「大学卒業」61人等が続いた。
そして、なんと・・・・・・
高校在学中の合格が1名!
早慶の付属高校には少数ではあるが
高校在学中に司法試験予備校に通う生徒がいる。
司法試験の受験勉強は早く始めた方がいいに決まっている。
低年齢化がどんどん進み、
高校生も司法試験に合格する時代がやってきた。
法科大学院ができる前の制度では、
合格者の平均年齢が30歳を超えていた時代もあった。
時代が変わってきている。
高校在学中に司法試験に合格して、
大学では法律とは違う学問を学ぶこともできる。
留学だって行ける。
別の資格を取得することもできる。
そうすることで唯一無二のスペシャリストになれる。
合格者数も増え、合格もしやすくなった司法試験に限ったことではないが、
合格しただけではあまり価値がない。
弁護士の平均収入も以前ほどは高くない。
人数が増え、選ばれる人とそうでない人の格差が大きくなったのだ。
だからこそ、合格後も自身を磨き続けなければいけないのだ。
ふつうの進学校の高校生は大学受験だけでも大変だ。
だから司法試験の予備試験どころではない。
でも、大学付属校ならばがんばれば余裕を作ることもできる。
高校生向けの司法試験の参考書も出版されるそうだ。
何年かすると高校生の合格者が少しずつ増えていくのだろう。
小中学生はこういった現状を知っておいた方がいい。
塾生たちにも話しておこう。