インプットとアウトプット
「IO比」という言葉がある。
Iはインプット(入力)、Oはアウトプット(出力)のこと。
例えば、100冊読んで1冊の本を書けば、
IO比は100対1となる。
IO比が1対1に近づくほど、書いた内容は中身が薄く、
人の話の受け売りに近くなる。
一方、その圧縮比が高いほど、
情報がたくさんつまった、いいものが書ける。
では、受験勉強はどうだろうか。
本を書くというような正解のない創作活動とは違い
受験勉強は必要な知識を正確にアウトプットすることが目的だ。
受験勉強において、理想的なIO比はどれくらいなのだろう。
授業を受ける、教科書や参考書を読むなどの「インプット型」の勉強、
問題集を解いたりするなどの「アウトプット型」の勉強。
私たちは、本を読んだり、講義を聞いたりするインプット型の勉強だけでは、
学んだ内容を記憶しにくいと言われている。
というのも、脳はインプットした情報のうち「使う情報」のみを記憶としてとどめる性質があるからだ。
しっかり記憶するためには、「問題を解く=アウトプットする」ことが必要。
勉強はインプットとアウトプットの両方を最適なバランスで行うべきなのだ。
個人差もあるのだが、
理想的なIO比は3:7だと私は考える。
つまり、受験勉強ではインプットよりもアウトプットを中心に据えることが大切なのだ。
基本から分からない、苦手強化だから・・・・などという理由で
ノートをまとめたり、教科書を読んでみたり
インプットのみの受験勉強をする人がいる。
しかし、その様な受験勉強で成果を上げた話を私は知らない。
インプットを30分やったら、70分その内容のアウトプットをするべきだ。
3:7と言ったのは、限られた時間の中で、
最大限の効果を発揮するため、
最大限多くの時間をアウトプットにかける理想的な数字だと思う。
繰り返すが、
膨大な情報のなかから脳が記憶としてとどめるのは、「使う記憶」だけだ。
一方、「使わない記憶」は全部忘れるように人間の脳はできている。
1カ月前の平凡な日になにを食べたかと聞かれても覚えていないだろう。
なぜなら、それは「使わない記憶」だから。
でも、今年のお正月になにを食べたかというようなことは覚えている。
それは、思い出として誰かに話したり、ふとしたときに思い出したりと、「使う記憶」だから。
アウトプットとは情報を「使う」ことそのものだ。
創作活動の場合は、
参考にする本を開きながらできるが、
受験でそれをやってしまうと、
それは不正行為以外の何物でもない。
受験生が必要とするのは瞬間的かつ正確なアウトプットだ。
それを鍛えていかなければ合格することはできないのだから。