入試問題

今年度の早稲田大学の教育学部の国語の入試問題の大問1に

 

引用されたのは以下の本。

 

2021年に発売された

 

重田園江氏著「フーコーの風向き」

[重田 園江]のフーコーの風向き――近代国家の系譜学

この大問1に設問は8つ。

 

早稲田大学、3つの大手予備校、著者から

 

模範解答例が出された。

 

以下は左から順に問1から問8までの解答例である。

 

赤文字は大学の解答例と異なるものだ。

 

▼早稲田大学発表の解答例
イ ハ ニ ホ イ ホ ニ ハ

▼河合塾・代ゼミの解答速報
 ハ ニ ホ イ ホ ニ ハ

▼駿台予備校の解答例
 ハ   イ ホ ニ ハ

▼この論文全体の論旨、およびフーコーの思想を研究してきた上での著者が考える解答例
 ハ   イ ホ ニ ハ

 

 

早稲田大学発表の解答例と著者のものは、設問8つのうち、3つが異なっていた。

 

著者は早稲田大学入試センターに問い合わせをし、

 

そのうえでこの問題を公表してくれた。

 

このような話はほかにもある。

 

今回のできごとは、入試における「国語」という教科を知るための

 

特によいきっかけになると思う。

 

以下の引用を読んでもらいたい。

 

『入試問題の正答に疑義があり、

 

それがいくつかの予備校の解答速報および課題文の著者によって

 

疑義とされる場合であっても、

 

それを「個別」の質問と見なして答えないということだ。

 

おそらく、早稲田大学ともなると

 

解答速報を作っている大手予備校関係者は、

 

国語のプロであると推測される。

 

彼らの解答速報が食い違う時点で、

 

これは問題を含んでいると認識されるのが普通だろう。

 

 

 

 

 

『たとえ出題に神経をすり減らす苦労があるとしても、

 

忘れてならないのは、

 

大学内にいる作問者は受験生から見れば圧倒的な権力者であるということだ。

 

どんな問題を出すかも、

 

何を正答とするかも、

 

そして正答に疑義が出された際に説明を行うかどうかも、

 

すべて大学側が一存で決められる仕組みになっている。

 

今回このことを痛感させられた。

 

 

 

 

作問者の意図を酌んで解答するのは

 

国語に限ったことではない。

 

このことを受験生は忘れてはいけない。

 

独りよがりの受験生では

 

越えられない壁も出てきてしまうのだから。

 

 

 

 

 

興味がある人は以下のリンク先をご覧あれ。

入試国語選択問題の「正解」について――早稲田大学教育学部の説明責任

 

 

 

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