一歩一歩

イギリスの経済学者トマス・ロバート・マルサスは

 

1798年に発表した『人口論』において

 

人口増加に対して食糧生産が追いつかないことを警告した。

 

ノーマン・ボーローグは

 

インドや中国などで

 

小麦等の高収量品種を中心とした新しい農業技術を開発し

 

穀物の大幅な増産(緑の革命)を指導した。(メキシコでは3倍もの生産量の向上を達成した)。

 

世界の食糧不足の改善に尽くしたとして

 

1970年にボーローグにノーベル平和賞が与えられた。

 

 

 

博士が品種改良を行った小麦は

 

世界で数億もの人を飢餓から救ったといわれる。

 

その開発は、手間のかかる交配の繰り返しだった。

 

博士自身が

 

「時間はかかるし、叫び出したくなるほど退屈」と述べている。

 

しかも、

 

交配が成功する割合は、

 

1000回に1回程度だったという。

 

 

 

交配の時には

 

日の出から日没まで作業を行い

 

野外のたき火で食事をし

 

寝袋で睡眠をとった。

 

博士は自らを

 

「手と靴を泥だらけにして働く研究者」と称した。

 

 

 

地道で単純で労多い作業によって

 

多収穫品種の小麦は誕生した。

 

後世に刻まれる偉大な事業には

 

先人の並はずれた努力の結晶がある。

 

 

 

 

 

学問に王道なし。

 

成長に近道なし。

 

一歩また一歩と地道に進んでいくしかない。

 

ノーマン・ボーローグのように。

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