セレンディピティ

18世紀のイギリスの小説家であるホレース・ウォルポールが、

 

『セレンディップの3人の王子たち』というおとぎ話を読んで

 

生み出した造語があります。

 

セレンディピティという言葉です。

 

 

『セレンディップの3人の王子たち』の物語は、

 

セレンディップ(スリランカの旧名)の王子たちが旅に出た先で、

 

彼らの優れた能力や才気によって、

 

有益なものを偶然に発見するお話しです。

 

5世紀頃に作られたおとぎ話で、

 

16世紀頃にヨーロッパに伝わり、

 

お話しの中のエピソードが小説に引用されるなど、

 

知識階級に知られた作品だったようです。

 

 

「迷子のラクダ」のエピソードでは、

 

迷子のラクダを見てもいないのに、

 

道端の草が左側だけ食べられていることから

 

右目が見えないことを推理するなど、

 

次々と知恵によって推理を行い、

 

王子たちは皇帝の賓客となり幸運を手に入れました。

 

自らの英知によって、

 

他の人が気づかないことに目を向け、

 

有益なことを発見する能力として

 

セレンディピティは定義されています。

 

単なる偶然の発見ではなく、

 

王子たちが持っていた能力が前提にあることがポイントだといえます。

 

 

 

フレミングがペニシリンをカビから抽出することに成功したのは、

 

実験のために使う細菌を培養していたとき、

 

細菌が繁殖している培養器のなかに青カビを発生させてしまい、

 

使いものにならなくしてしまったことが始まりでした。

 

 

 

 

これをフレミングが

 

不幸な事故として片づけていたとしたら

 

世紀の大発見にはつながりません。

 

 

 

セレンディピティは単なる「偶然の発見」ではなく、

 

能力のことです。

 

偶然の出来事に遭遇することは誰しもありますが、

 

それに価値を見出して活用するかどうかは人によって異なります。

 

問題意識を持ちアンテナを立てているか、

 

価値を見出すだけの知識があるか、

 

単なる偶然を優れたひらめきや価値に転換できるかどうかは、

 

その人の能力次第なのです。

 

 

 

 

私もよく「アンテナを立てる」という言葉を使います。

 

頭の上に見えないアンテナを立てると

 

自分にとって役に立つ情報が素通りせずに

 

しっかりとキャッチできるのです。

 

それがセレンディピティです。

 

やりたいこと

 

学びたいこと

 

通いたい学校

 

などなど、

 

自分に有益な情報を

 

しっかりとキャッチできるようにしたいですね。

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