サクラ
大寒を過ぎ、今が寒さのピークかなと思える時期だ。
冬本番の低温と各地の雪が続く。
さて、冬の寒さが厳しいほど、桜は、暖かさに敏感になるという
それを試す実験がある。
2月中旬、鹿児島と北海道の桜の枝を切り、
同じ場所で生育させたところ、
北海道の桜が先に開花したという。
北の厳しい寒さで
「よく目覚めているのです。そのため、同じ温度に反応しても早く咲くのです」と、
植物学者の田中修氏が述べている。
こうした桜の営みを知ると、人間に重ねたくなる。
合格できるのかどうか不安の中で努力を重ねている受験生がいる。
志望校を下げたりすることなく、
真正面からプレッシャーを受け止めている。
一方で、個別相談以降早々に合格した気持ちになって
その思いを経験しないまま受験を終えてしまった人もいる。
寒さのあとには、太陽を暖かく感じる。
試練の冬に耐えた人ほど、安穏の春の喜びを知る。
そして、人の労苦にも寄り添える人になる。
昨日の授業で見たひたむきな受験生の笑顔が、
その証しに思えた。
サクラ咲け、まだ伸びる、まだまだ伸びる。