情熱
体調を崩したので寝ようと思い、
枕を探すが見当たらない。
その時、
もう1年近く枕で寝ていないことに、
はたと気付く。
若き日の福沢諭吉である。
蘭学の勉強に熱中し、
床で寝ていたのだ。
福沢はある日、
横浜の外国人居留地に出掛けた。
街の看板を見ても分からない。
聞くと、それは英語だった。
時代は今や英語だと思い知った。
あれほど猛勉強したことが役に立たない。
落胆は大きかったはずだが、
学問の情熱を一層燃やし、
翌日から英語の勉強を始めたことは有名な逸話だ。
「情熱」を表す英語の「パッション」には「受難」の意味もある。
先のエピソードを通して脳科学者の茂木健一郎氏は
「情熱とは苦労することから生まれる」と記した。
司法試験のカリスマ先生、
伊藤真氏の受験生時代のエピソードを思い出した。
お腹の上に法律書をのせて寝る。
寝返りを打ったりして
本が床に落ちたら起きて勉強する。
合格するまでは
人間らしい生活を捨てたと振り返っている。
そこまで苦労したからこそ
湧き上がる情熱も大きかったのだと思う。
あとで振り返ったときに、
あのときは猛烈にやり切った!
と胸を張って言える
そんな経験は
合格が手に入るだけでなく
人生の宝となるはずだ。
それをやるのは
夏休みの今!