男性脳と女性脳という言葉がある。
男女の間で筋肉量や皮下脂肪の量などが異なるのと同じように、
脳にも男女の違いはある。
たとえば神経伝達物質のひとつ、
セロトニンは精神を安定させることで知られている。
この物質の合成能力には男女で差があり、
男性は女性の約1.5倍というデータがある。
セロトニンが少ないと欠落に過敏になりやすく、
不安傾向が強まりやすいのだ。
たとえば男女が同じ家に暮らしていて、
洗剤とか歯磨き粉がなくなりそうなことには
女性のほうが先に気づくということがままある。
もし、そんなことが頻繁に起こり、
なかなか互いに噛み合わないと感じるなどのケースが続くなら、
男女間でセロトニンの量が違うことが原因のひとつかもしれない。
しかし、女性よりも早くいろいろなことに気づく男性もいる。
結局、男女の差はあるけれど、
個人差のほうがより大きいのだ。
それは身長差を考えるとわかりやすいのではないだろうか。
統計を取ると、日本の成人男性の平均身長は172センチで、
女性の平均身長は158センチ。
平均値では明らかに男女差があるが、
女性の平均値よりずっと背の低い男性もいれば、
きわめて背の高い女性もいる。