面接
神奈川県公立高校入試では現在の中学2年生の入試から、面接を廃止する。
以前の埼玉県と同様に、神奈川県公立高校入試では面接は全受検者対象だ。
しかも、神奈川県では、面接の比重がなんと2割も!
今後、神奈川県では選抜材料が調査書と学力検査の得点となる。
埼玉同様、多くの進学校では学力検査が重視されていくだろう。
埼玉県の公立高校入試で面接をするしないを学校判断としたのは、
学力検査の採点が大変だからだと私は理解している。
記述問題が増加してきて、合格発表までの時間を確保しなければ
採点ミスが起きてしまう。
進学校は高倍率だし、無答が少ない。
だから、採点の時間がかかるはずだ。
実際、面接採用校は倍率は高くないし、
学力レベルもそれほど高くない学校ばかりだ。
では、今回の神奈川県で面接をしなくなる理由は何だかお分かりだろうか。
それは・・・・・・
このリンク先に書いてあるのだが・・・・・
こう書いてあった。
『10分程度で実施している面接において、
生徒の意欲を測ることはできても、
新学習指導要領で求められる日頃の学習に向かう姿勢
(「学びに向かう力」)を適切に評価することは困難であること』
その通りだとすると、
10分程度の面接は、
高校入試においてますます姿を消していくのだろう。
高校入試ではないのだが、
面接といえば、以前こんな話を聞いたことがある。
ジョブズの誘いを断った男として知られる
キヤノン電子会長の酒巻久氏が、採用を担当していた時のこと。
ある大学院を出た男性を面接したが、生意気な態度に見えた。
出した答えは「不採用」。
うわべの印象だけで判断すると大きな失敗をするよと、
上司は氏に、彼の通った大学院を訪ねるよう促した。
彼を知る指導教授や友人は
「少し口は悪いが、情に厚く、友だち思いのとてもいいやつ」と。
思わぬ人物評に、
15分の面接で彼の人となりを決めつけた自身を恥じた。
採用してみると、彼は評判通りの好人物だった。
今もいい仕事を続けているという。
以来、氏は自分の目と耳で確かめることを信条としているという。
さて、坂巻氏のような人に面接をされるのならば
面接という選考方法は大きな意味を持つだろう。
でも、以前の坂巻氏が反省したように
15分程度の面接のうわべだけで判断すると
大きな失敗をするのは当然だろう。
以前、ある私立高校の先生が語った内容が忘れられない。
「面接で加点したり差は付けません。
うちの高校が面接をする理由は、
面接という大事な場で、猫を被ることすらできない受験生を見極めて不合格にするためです」
恐らく、10分程度の面接ではこの程度が限界だろう。
ただし、早慶をはじめとする私立上位校の推薦入試における面接は全くの別物だ。
これは別の機会で紹介したいと思う。