自分の有限性
20世紀最大の哲学者とされるマルティン・ハイデガー。
その代表的著作が『存在と時間』だ。
難解な本としても有名だ。
でも、素晴らしい内容なので是非読んでみてほしい。
書いてあることをざっくりと言えばこんな感じだ。
『人間は無限にチャレンジする動物だが、
命は有限なのでチャレンジは未了に終わる。
そしてこの命の有限、つまり死ぬことを真剣に考えていないと、
毎日のチャレンジに真剣さが伴わない。
これは例えば締切が来ないと筆を取らない文筆家とか、勉強しない学生とかである。
でもなるべく自分の有限性をさっさと自覚して毎日真面目に生きた方がいいよ。』
命は有限だ。
アタマではわかっていても
若いうちは時間が無限のように錯覚してしまう。
だから、ダラダラしてしまう。
「どうしたら努力が長続きしますか?」と質問する人がいる。
細かな工夫はいろいろあるのだけれど、
根本的解決法はただ一つ。
それは自分の命や人生の時間には限りがあることを自覚することだ。
大人でも自覚がない人もいる。
子どもでも自覚できている人もいる。
自分自身の死の話はなんだかタブーというか暗黙の了解という感じで、
子どもたちはあまりそのような話をされたことがないと思う。
でも、誰一人例外なく死は避けられないものだ。
だから目を背けるべきではない。
しっかりと自分の死と向き合っていかなければいけない。
本気で自分自身が死ぬということを考えて、
それを受け入れることではじめて
毎日を充実させていくことができると思う。
ダラダラと生きていて、
他人からのアドバイスもスルーしている人は
間違いなく、自身の死をどこか他人事のように考えているのだ。
短い人生、こんな過ごし方でいいのだろうか、
そう考えることではじめて自分自身のチカラで日々を充実させることができる。