好奇心と新鮮さ
「最近、歳のせいか記憶力がめっきり落ちてしまって……」
時折耳にする言葉だが、
実は「年齢のせい」ばかりではないようだ。
脳科学者の池谷裕二氏によれば、
好奇心や探求心がわいた時に発生する「シータ波」という脳波を増やせば、
“若者と同じだけの記憶力を発揮できる”と。
シータ波を妨げるのは「『そんなこと、やらなくてもわかるよ』とか、
『どうせ、この前と一緒でしょ、面倒だなあ』などという気持ち」だという。
脳にとって、「マンネリ化」こそが最大の敵なのだ。
仕事、生活、人間関係……ともすれば同じことの繰り返しに見える毎日。
物の見方に、その人の内面が表れる。
毎日が「同じまま」に見える時、
それは、自分の方が「同じまま」でいるからかもしれない。
学ぶことに対して好奇心や新鮮さを見いだせない若者の記憶力は
マンネリ化した老人の記憶力と同じかそれ以下であろう。
そのような若者はシータ波を出すような学びに対する価値観の変革が必要だ。
最高の暗記法・学習法はそれを学ぶことへの好奇心や新鮮さであるのかもしれない。
スイスの哲学者ヒルティは、若さの秘訣を問われ、
「つねに新しいことを学ぶこと」と答えた。
どんな小さなことでもいい。
「どうせ○○なのだから」「面倒くさい」といった言葉を捨て、
新たな挑戦の一歩を踏み出そう。