苦難
フランスの文豪・ビクトル・ユゴー。
彼の83年の生涯で、ひときわ光彩を放つのが、
1851年から19年続いた亡命生活だ。
独裁者ナポレオン3世から「帰国許可令」が出されたが、
彼は祖国の自由を求め、
敢然と拒否。
この亡命時代に
『静観詩集』『レ・ミゼラブル』など、
多くの名作を発表した。
ユゴーの5代目の子孫マリー・ユゴー氏は述べている。
「亡命中という19年間、
彼は創造性の源の中で生き、
芸術家・創造者としての時間を集中して過ごしたのです。
もし彼がパリにずっといたら、
ここまでの偉業はなせなかったでしょう」
「創造」と「苦難」は、実は切り離せないものかもしれない。
高温の炎で熱し、
何度も打つことで鉄の不純物が除かれるように、
人間もまた、試練と戦う中で
自身に秘められた力を鍛え出していくのだ。
ユゴーいわく、
「今日の問題は何であるか。戦うことである。
明日の問題は何であるか。打ち勝つことである」
自身の弱い心と戦い、勝つ。
ユゴーの亡命中の苦難と比べようもないのだが、
受験生たちも今、苦難の中にいる。
その勇気の一歩を踏み出すことが、
それが自身の成長につながると信じて
歩み続けていこう。