直感
人生は、決断の連続だ。
その決断には、熟慮する余裕がある時もあるが、
瞬時の判断を迫られる時も多い。
自身の「直感」を信じるしかない、
という場面を
誰もが経験したことがあるだろう。
では、直感を磨くには、何が必要か。
棋士の羽生善治氏は言う。
「もがき、努力したすべての経験を、いわば土壌として、
そこからある瞬間、生み出されるものが直感なのだ」と。
直感は、脳のどの部分に関係するのかについて、
理化学研究所が行った研究がある。
プロ棋士に 詰め将棋の局面を見せ、
短時間で 次の一手を判断してもらうというもの。
結果は、習慣的な行動を 記録するとされる
「大脳基底核」が 強く働いたという。
羽生氏の言葉が、裏付けられたといえる。
「ロジカルに考えること」の重要性はさんざん言われているが、
それに縛られすぎると、
いつの間にか思考や発想が矮小になってしまい、
誰かの通った道をなぞるだけになってしまいかねない。
元外交官で作家の佐藤優さんは、
“ひとつ上”の仕事をしたり、
心の安定を得たりするためには、
論理を超えた直感に身を任せることが重要だと言う。
そして、瞬時の判断が迫られる時があることを忘れてはいけない。
大変なことから逃げて、
楽しいことばかりを追い求めていても
ここ一番で頼りになる直感は磨かれない。
大胆な経営判断で自社を立派に育て上げた創業者たちは
皆が例外なく並々ならぬ苦労をしている。
苦労は買ってでもしろの言葉通りだ。
この夏、学習を通して、たゆまず自身を磨こう。
いついかなる時も、絶対に負けない強い心で
立ち向かえる自身をつくるために。