人生哲学
年をとってから最後の一花を咲かせることを「老いの入舞」という。
漫才師の故・内海桂子さんは、
「私の人生はまさにそのとおり」と振り返っている。
16歳で初舞台を踏み、
名コンビ「内海桂子・好江」が誕生したのは70年前。
世代を超えて多くの人から愛された。
その人気に安住することなく、
50歳を過ぎて絵を描き始め、個展を開催。
87歳で始めたツイッターでは、
約10年にわたり、
毎日“つぶやき”続けた。
彼女の人生哲学は「ねじ巻き人生」だ。
貧乏のため、9歳から働きに出た。
稼ぎの半分は実家に、
残りを三味線や踊りの月謝に充てたという。
「私はことあるごとに自分でねじを巻き、
転んでも起き上がってきました」
「くよくよしていたって始まらないし、
明けない夜はありません」
人間の真実の美しさは、心の輝きにある。
自分自身と戦う中で、
磨き鍛えられた人格の光彩は、
年を重ねれば重ねるほど、
まばゆい輝きを放っていく。
苦難や試練に負けない「不屈の心」という土壌に、
自分らしい「花」は咲き薫る。
こんなことを子どもたちに伝えていきたい。