太陽
6月に入ったが「五月雨」が降り続いている。
こう書くと、“もう6月なのに、なぜ五月雨?”と思われる方もいるかもしれない。
五月雨は、旧暦5月に降る長雨のこと。
今の6月に当たり、本来は梅雨を指す。
「五月晴れ」も同じく、元は梅雨のさなかの 晴れ間のことだった。
端午の節句も、古くは梅雨時の行事。
菖蒲の香りは、じめじめした長雨の 毒消しになった。
五月雨は、歌にも数多く詠まれてきた。
例えば「日の道や葵傾くさ月あめ」(芭蕉)
梅雨にぬれて、葵の花が傾いて咲いている。
その傾く方向は、太陽の通る道筋。
日は出ていないが、葵も日の光を慕っているのだ、と。
雨降りのうっとおしい日々が続くと
夏の太陽が待ち遠しくなる。
カナダの作家 モンゴメリーは、
「どんな人の人生にも 憂鬱と落胆の日々があるだろう」
「けれど、いつでも空に太陽があるということを 忘れてはいけない」
と語った。
梅雨の雨があるから、実りの秋は訪れる。
人もまた、悲しみや苦しみといった
“雨の日”があるからこそ、幸福という太陽の貴さを知り、
人生を実り多くしていける。
梅雨が明けると、いよいよ成長の夏がやってくる。
いきなり伸びてくるわけではない。
それまでにしっかりとした準備が必要だ。
弛んでいる人はいないだろうか。
意識は一瞬で変えることができる。
今から、挑戦の夏へむけて歩みだしてみよう。