根っこ

母から「花に水をあげて」と頼まれた幼い娘が、

 

文字通り、花弁に水滴を落とし始めた。

 

その姿に母がほほ笑み、

 

根元にも水を掛けながら、優しく教えた。

 

養分や水分は根から吸収され、

 

茎や枝などに送り届けられること。

 

地中に張った根が、

 

地上に伸びた植物全体を支えていること……。

 

娘は「根っこが大事なんだね」と納得した。

 

 

 

 

昨日、中3の授業でふと感じた。

 

面倒くさいことはしたくない。

 

テスト前だけ一生懸命勉強して

 

なんとか受験を突破したい、

 

まだそんな風に考えているのではないだろうかと。

 

 

 

あまり努力しなくても

 

高校受験は乗り越えられるかもしれない。

 

でも、それでは勿体ないことをしてしまうのだ。

 

なぜなら、

 

高校受験を通して、自分を鍛え、

 

自分を支えてくれる根をしっかりと張り巡らせるトレーニングが

 

できないから。

 

 

 

サッカーだって、

 

野球だって、

 

音楽だって、

 

なんでも懸命に取り組むことで

 

自分自身の根っこを鍛えることができる。

 

生涯それだけをメインにやり続けていくのならば

 

それだけでいいと思う。

 

しかし、たいていの場合、

 

年を重ねるにつれて

 

自分の挑戦の舞台は変わってくるものだ。

 

その時に、かつて自分が根っこをはるために

 

頑張ってきたことが

 

目の前にある今までとは違うやるべきことを

 

やり切るための支えとなる。

 

しかし、人間はやったことのないことや

 

知らないことに対して本能的に恐れを抱くものだ。

 

だから、「自分にはムリだ」とやる前から決めつけてしまうこともあったり、

 

一寸やっただけで「ダメだ、できない」となってしまうことがある。

 

「面倒くさい」という言葉も、潜在的な恐れからくる現実逃避だと思う。

 

かつて根っこを張ってくれた体験は

 

次に挑戦することへの支えとなるはずだ。

 

そう心に刻んで

 

次なる挑戦をしていかなければいけない。

 

サッカーの頑張りは勉強の頑張りにつながり、

 

勉強の頑張りが将来の自分の職業の頑張りにつながっていく。

 

根っこの部分は目に見えない地中にあるから

 

みようとしない。

 

得点化されることもない。

 

でも、本当に大切なのは

 

茎や葉、そして花に

 

水分や養分を与えてくれる

 

根っこではないだろうか。

 

常に、今いる場所で自分の人生の根っこを伸ばしていこうという

 

挑戦者魂をもって

 

ひたむきに

 

かつおおらかに

 

日々を過ごしていこう!

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