マラソン
受験はマラソンにたとえられることがある。
確かに似ているところもあるが、
みんながイメージするマラソンとはちょっと違う。
まず、「用意、ドン!」がない。
スタートするタイミングは人それぞれなのだ。
だから、とっくにスタートしている人もいれば
まだスタートしていない人だっている。
早ければ早いほどよいと思う人は多いが、
実際は必ずしもそうとも言えない。
部活動を引退してからスタートして
見事な走りでゴールをする受験生は毎年たくさんいる。
逆に、早めのスタートを切ったのはいいけれど、
途中で疲れて止まってしまう受験生もいる。
大切なことは、残された時間とやるべきことをしっかりと把握することだ。
そのうえで、計画を立てていくと、
どのくらいのペースで走らなければいけないかわかってくる。
ただ走りさえすればよいというわけではない。
まだ、スタートをしていないランナーがいるとしたら、
もうそろそろスタートしなければ
間に合わなくなってしまうころだと思う。
今、はじめよう。
さて、人生もマラソンに例えられることがある。
面白い話を紹介したい。
「人生はマラソンのようだ”と言われますが、どう思いますか?」
一般募集の質問に、詩人・谷川俊太郎さんが答えた。
「人生は人生でしかないと思います。」
単にゴールを目指すものではなく、走ること、それ自体なのだ、と。
受験とは違うということだ。
人生の価値は進むスピードではなく、歩み続けたかどうかで決まる。
戦いを止めないその姿に、人生の勝利の輝きがあるということだ。
数年くらい全力で走ったからといって
その後、止まってしまったらいけないのだ。
受験も人生もマラソンに例えられるという点では同じであっても
全く別なのだ。