失敗
天皇陛下の執刀医、天野篤氏は大学受験に3回失敗して、名医となった。
外山滋比古氏も、受験に2度失敗して、知の巨人と呼ばれるほどになった。
外山氏は、受験に失敗した悔しさを
「じっと胸にしまって、
努力して秀才たちに引きはなされないように」励んだという。
氏は、人は自力のように思っていても
「その実、敵の力を借りていることが少なくない」と述懐する。
例えば、貧乏を乗り越えようと必死に働く。
スポーツでは、好敵手に負けまいとして強くなる。
入試の失敗も、それをばねに
「大きな力をつける好機に恵まれることになる」と。
新たな環境で本格的なスタートを迎えた。
中には思うような結果が出ず、
自分が描いていた進路とは異なる道を進む人もいるだろう。
だが、積み重ねてきた努力は、自分を裏切らない。
将来、必ず自身の糧となる。
道には並木道や一本道もあれば、
坂道や荒れた道、回り道もある。
大切なのは、今ここから一歩を踏み出すこと。
その勇気が、失敗も悩みも、勝利の力に変えていく。
人生は不思議なもので、失敗の多い人間ほど、魅力的になっていくのだから。