予習と復習
学習のスタイルとして「予習」と「復習」がある。
2つのうちのどちらがよいのだろうかという議論がある。
どちらのほうがよいと思いますか
あなたは予習派でしょうか、それとも復習派でしょうか?
あくまで塾という立場からこの問題を考えてみたい。
教える側は、指導者によっても、塾によってにも見解は様々である。
例えば、中学受験の大手塾では、それぞれ大きく異なったスタンスで塾生を指導している。
分かりやすいので、3つの大手塾を例にとって考えていきたい。
四谷大塚は予習重視だ。
「予習シリーズ」というテキストで
1週間かけて自分で勉強したことを、毎週末の「週テスト」で確認するやり方が基本だ。
「学習」←→「テスト」は、「インプット」←→「アウトプット」のサイクルである。
SAPIXは予習不要論だ。
「復習中心主義」を標榜し、
授業で扱う教材の事前配布はしない。
授業での学びを踏まえた自学自習用の、復習・発展教材を宿題とする。
日能研は予習有害論だ。
上記の本では、「予習有害論」が詳述されている。
だから、塾生は授業で学ぶことの「予習」は禁止されている。
中学受験塾の間にも、このように大きな違いがある。
3つの中学受験大手塾だけでも、全く違った考え方で塾が運営されていることを知ると、
どれがいいのかわからなくなってしまうかもしれない。
しかし、実はどれも正解になることもあれば、
不正解になることもあるというのが本当のところだ。
受験勉強のすべてをそのやり方に委ね、コツコツと淡々と積み重ねていくならば
体系立てて完成している上記の学習方法のすべては
学力を伸ばしてくれるようにでき上っているからだ。
中学受験の学習は、小学校の学習とはかけ離れた世界になる。
塾ですべてを完結することができるものだ。
だから、予習型であれ復習型であれ
自分の好みに合ったやり方を選択し、
それを徹底してやり抜けばいい。
これは高校受験においても
内申書不問の最難関国立私立高校の入試でも同様だ。
極端な話が、通知表がどんなに悪かろうが、
入学試験で合格点をとれさえすれば合格になるからだ。
塾のシステムに丸乗りして、それをとことんやりぬくのだ。
問題は、すべてがそこまで体系だっていない場所での学びだ。
塾に通わない場合や、大学、そして社会人の学びである。
個人的には高校生以上は予習型が効果的だと思っている。
でも、
「教育には正解はない」
というのが実は正しい。
正解は一人ひとり異なっていてよいのだし、実際にそうなのだ。
だからこそ、教えることと学ぶことはことは奥が深くて、飽きない。