志願先変更
埼玉県の公立高校入試は1校しか受検することができない。
そしてチャンスは1回限り。
それをカバーするための制度がいくつかある。
そのうちの一つが「志願先変更」だ。
今年の日程でいうと、
2月15日と16日の2日間で出願し、
倍率が確定すると、
一日挟んで、2月18日と19日の2日間に限り
志願先を変更することができる。
意中の学校が1校だけの場合は
志願先変更は検討しなくてもよいのだが、
複数の気に入った学校があり、
それらのいずれにも入学してみたいという場合は、
倍率をみて検討してもいいだろう。
受検生たちに私はそのように言っている。
ただし、変更は1回しかできない。
あとから取り消すことはできないのだ。
倍率が低いはずの学校に変えたはずが、
実は多くの受検生たちも同じことを考えていて、
倍率が跳ね上がる可能性だってある。
特に定員が少ない専門学科では
その様な悲劇が起こりやすい。
過去にもそのようなことは起きている。
印象に残っているのは、
大宮工業高校のある学科が定員割れした年のこと。
志願先変更後に確定した最終倍率では
すべての学校の中で最高倍率が
大宮工業高校のその学科だったのだ。
変更した受験生たちは驚いたに違いない。
今年はコロナ禍のため、郵送による出願だったが、
昨年までは公立高校の願書は
窓口持参だった。
よほどのことがない限り、
2日間の出願期間の初日に出願する。
2日目に万が一のことが起こり、
出願できない事態を避けるためだ。
だから、初日の集計でほぼ倍率が分かる。
しかし、志願先変更は先ほどの例もあるので、
初日に動くのか二日目に動くのかよく考えて
慎重に動く必要があるのだ。
今年の志願先変更の分析結果を少しだけ紹介しよう。
志願先変更1日目 | 志願先変更2日目 | |
川越南 | -30 | -33 |
浦和 | -25 | -32 |
浦和一女 | -13 | -26 |
川口市立 | -17 | -23 |
大宮 | -13 | -21 |
市立浦和 | -12 | -21 |
志木 | -8 | -17 |
南陵 | -10 | -14 |
大宮(理数) | -8 | -13 |
浦和西 | -4 | -6 |
川越女子 | -6 | -3 |
川越 | -3 | -3 |
志願先変更1日目の減少数と2日目の減少数の比較をしてみた。
浦和一女や志木は倍増している。
興味深いのは川越女子だ。
初日から二日目の減少数が少なくなっている。
これは2日目に他校から川越女子に変更した受検生が
少なくとも3人はいたということだ。
同じ倍率をみて
危険と感じるのか
チャンスと感じるのか
人それぞれだということだ。
以前にも書いたが、
気になる定員割れの学校は以下のように変化した。
志願先変更の結果、
以前取り上げた学校は
松山と松山女子を除き、
1倍を超えることになった。
注目したいのは川越西。
42名の増加となった。
おそらく、0.88倍という倍率をみて
「1倍を超えることはないだろう」
と考えた人は多かったに違いない。
アクセスはよくないけれど、
中身はいい学校なので、
多くの受検生が同じことを考えた結果、
1.01倍となってしまった。
計算上3名だけ不合格になる。
定員割れを確信して余裕でいる受検生の中には
しまったと思っている人がいるかもしれない。
気になったのは、松山。
1日目で2名増えていたのだが、
確定数は変化なし。
つまり、定員割れにもかかわらず、2日目に2名が志願先を変更しているのだ。
定員割れの学校に見切りをつけたのだろうか。
志願先変更1日目 | 志願先変更2日目 | |
川口北 | 11 | 17 |
熊谷 | 7 | 11 |
松山女子 | 3 | 5 |
川越西 | 18 | 42 |
松山 | 2 | 0 |
坂戸 | 3 | 5 |
数字の変化だけでは、詳細が分からない。
しかし、一人ひとりにあわただしいドラマがあったのだろう。
それを想像するとなんだか胸が熱くなってくる。
あとは、志願取り消しと当日欠席が考えられるだけだ。
減ることはあっても増えることはない。
賽は投げられた。
一人ひとりの学力検査の合格点を取ることだけを考えて
最後の調整をしていきたい。
ガンバレ、受検生!
さて、話は変わって、動画を紹介したい。
思わずみとれてしまう、かわいいな。