卓越
世界で一番たくさんの絵を描いた人は誰だろうか。
数が多ければよいというわけでもないのだろうが
一番多く描くということは
何か他の画家とは違うところもあるのではないかと思う。
ギネスブックに記録がある。
その画家は
生涯に約1万3500点の油彩と素描、
10万点の版画、
3万4000点の挿絵、
300点の彫刻と陶器を制作したとのこと。
合計すると
14万7800点
まさにけた違いの作品数だ!
例えば
1日に1作品完成させたとして
1年で365作品だ。
10年で3650作品。
1日1点の作品を仕上げたとして、
あれだけの作品数を作るのに必要な時間は
約404年・・・・
一生かけてもそのペースだとムリだ。
1日10点仕上げても40年以上かかってしまうのだ。
だから
この人は途方もないくらいの作品を作った人なのだ。
人生を絵に捧げたのではないだろうかと思うほど
絵ばかり描いていたに違いない。
そうでなければ、あれほどの作品数はムリではないだろうか。
この画家の名前は長い。
パブロ・
ディエゴ・
ホセ・
フランシスコ・
デ・
パウラ・ホアン・
ネポムセーノ・
チプリアーノ・
デ・
ラ・
サンティシマ・
トリニダード・
ルイス・
ピカソ。
そう、あのピカソだ。
誰でも名前ぐらいなら知っている
世界一有名な画家と言ってもいいだろう。
もちろん、ピカソには才能があったに違いない。
しかし、努力の量は他を圧倒している。
作品を1点仕上げるたびに絵の実力が向上しているとしたら
卓越した実力を身につけることができたのだろう。
ピカソと同じだけの作品を作れば
ピカソと同じだけの実力が備わるかどうか
それは分からない。
しかし、ピカソが卓越した画家になれたのは
圧倒的な練習があったからだと思う。
「良い勉強方法を教えてください」
よく聞かれる質問だ。
「まず、毎日続けること」
「毎日5教科やること」
「やれと言われたことをやる(覚えろと言われたことを覚える)」
「同じワークを何度も繰り返し解きなおすこと」
この質問にはこのように答えることにしている。
すると
「他にはないのですか?」
「もっと効率よく学習できる方法はないのですか」
「それは以前聞きました」
などとさらに質問されることがある。
こういう質問をするのは
実際にやっていない人だ。
やる前に質問しているのだから
やってみたらどうなるのかは分からないはずだ。
それにもかかわらず、想像で質問されると
会話も成り立たなくなってしまう。
簡単に言わせてもらうと
「人よりもいい成績をとりたければ
人よりも多くの問題を解かなければいけない」のだ。
絵の世界とは違い
受験には出題パターンがある。
やりつくしてしまえばいい。
旺文社の「電話帳」を繰り返し解き
力をつけることで
パターンをほぼ習得することもできる。
音楽の世界でも
35年の生涯で628曲もの作品を作曲した
モーツァルトも圧倒的な作品数だ。
絵の世界も
受験の世界も
音楽の世界も
基本的にはどんなことだって
長い時間をかけて
鍛錬を続けていくことが
大切なのは同じということなのだろう。
努力した人が皆報われるかどうかは分からないが、
成功した人は皆、努力しているのだ。