驚異の年
人類史に名を残す偉人、ニュートン。
科学の巨人の逸話は、つとに知られるが、
その中に「驚異の年」の話がある。
それは1665年から66年の一年余のことを言う。
この間、彼は研究に没頭。
ノートには1ページに2千余の細かい数字が並ぶ箇所も。
万有引力の法則をはじめ、
数学、力学、光学の偉大な発見のほとんどが、
この短期間に結集。
驚異と呼ばれる理由だ。
さらに研究の場所は大学ではなく家。
当時、英国にペストが流行。
ケンブリッジのカレッジも閉鎖され、
家に戻るしかなかった。
小さな書斎と本棚を作り、
「あれほど数学と哲学に頭を絞ったことは、
あのとき以来ない」と言うほど集中した。
コロナ禍の我々の現在の状況にも似ていると思う。
外出も思うようにできない。
この状況を嘆いているだけなのか、
それとも活用するのか、
大きな分かれ道になろう。
短期間でも偉業は果たせる。
どんな環境でも創意と工夫、
集中力で仕事は成就する。
それを可能にする力が人間にあることを示唆している。
あれほど懸命に学んだことはない。
そう言える学習に挑み、自らの人生に偉大な歴史を刻もう。