生涯一書生
吉川英治氏の信条は「生涯一書生」。
世間が「大家」ともてはやそうと
謙虚さを失わなかった。
さらに氏は言う。
「一生一書生である者には
『疲れ』とか『倦む』とかいったことはない。
およそ、そうした類の言葉には絶縁である。
完結した生涯最後の作品は『私本太平記』。
この新聞小説の連載開始の前年まで
週刊誌上で7年にわたり
『新・平家物語』の筆を執り続けている。
大衆の心に響くものを求め
最後まで書き続けた生涯だった。
子どもたちの学びもかくありたい。
テスト期間が終わるまで・・・・・
高校受験が終わるまで・・・・・
いい大学に入るまで・・・・・
いい就職ができるまで・・・・・
などのように
とっとと「学ぶこと」を終えたいがために
期限をつけさえする人がいる。
生涯一書生どころか
早く書生という立場から脱したい
しかも楽をして・・・・・
などという気持ちでは
将来どころか
目先の受験すらままならないだろう。
仮に受験に合格できたとしても
そのような考えでは
過去の合格に縋っていくしかない。
うちの塾生たちには
そのように生きてほしくはない。
いくつになっても気持ちは「生涯一書生」として
朗らかに「学びの人生」を求めて歩んでもらいたい。