効率的な教育なんてない
「やっぱり“効率的な教育”なんて、ありませんね」
ある受験生のお母さんが語っていた。
仕事なら「無駄なく」「速い」ほうが良い。
だが子育ては違う、と。
子どもはよく回り道をし、失敗する。
「早く!」と焦る大人からすれば
無駄ばかり。
しかし
こうした“非効率的な”行動を通して
子どもは成長していく。
親との信頼関係も
「どんな自分も受け入れてくれる」との
安心感から培われる。
現代文明の根幹には
「効率性」「利便性」の追求がある。
いかに
「手間をかけないで」
「楽に」
物事を進めるか。
そのために多くの機械が生まれ
便利な通信機器も発達した。
だが
それによって「学力」が向上したか
また「幸福感」が増大したかといえば
疑問符が付く。
その生徒は
回り道をしたせいか
ラストスパートは遅めだった。
でも、最後はグングン力をつけた。
それまで手が届かなかった目標偏差値も
大幅にこえることができた。
直前期には
英語は苦手教科から得意教科に変わった。
「効率重視」でなく「人間重視」
その生徒のやる気が目覚めるタイミングまでじっと待ち続けた。
そして
そこからはやれるだけやった。
成長の大前提は「本気」であること。
「大変」だから成長がある。
「楽じゃない」から真の充足がある。