心に刻む

ソクラテスは語った。

 

文字に頼ると、人は忘れっぽくなる。

 

自分の力によって内から思い出すことをしないようになるからである

 

 

 

人は、大事なことを「ノート」や「メモ」に記す。

 

しかし、多くの人は

 

それで安心し、読み返すことをしない。

 

だから、肝心なとき、役に立たない。

 

自らの「心」に刻む。

 

その努力は、やはりいつの時代にも欠かせまい。

 

 

 

 

 

とはいえ、昨今のAIやインターネットを使えば

 

知りたい情報がすぐ手に入る。

 

ややもすると“もの知りになった”と錯覚しがちだ。

 

しかし、ソクラテスは指摘する。

 

知者となる代りに

 

知者であるという

 

うぬぼれだけが発達するため

 

つき合いにくい人間となるだろう

 

 

 

 

 

ソクラテスはコンピューターなど知りもしない。

 

しかし、知識と人間をめぐる洞察は

 

数千年を経てもみずみずしい。

 

この事実こそ

 

ネット社会の利便性より

 

よほど感動的ではなかろうか。

 

 

 

 

かつて、

 

英語の授業中に

 

このような話をしたあとから

 

授業中にほとんどノートをとらなくなった生徒がいた。

 

ノートをとる代わりに心に刻むのだと。

 

その後、英語の成績では全く心配することはなくなり

 

早慶附属高校にすべて合格することができた。

 

彼は頭をよくする訓練をし続けたのだ。

 

そして、合格だけでなく

 

その後の人生にも

 

心に刻むという方法は大きく役立っていると

 

私は信じている。

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