八郎
「昔な、秋田の国に、八郎って山男が住んでいたっけもの」
心優しい山男・八郎は、
家一軒ほどの大男。
ある日、
浜で幼い男の子が泣いていた。
海が荒れて村の田んぼが潮水をかぶってしまう、と。
そう聞くと、八郎は山を動かし波をせき止めた。
が、
海は一段と荒れ狂い、
田んぼに押し寄せてきた。
ついに、
八郎は体を張って、
自ら海へ。
波を押し返しながら叫んだ。
「分かったァ!
おらがなして
今までおっきくおっきく
なりたかったか!」
「こうして
みんなのために
なりたかったなだ」と。
経済至上主義と言ってもいい世の中だ。
みんなの役に立ち喜んでもらえるものを
との精神から商売が始まったに違いない。
だんだんとその精神を忘れてしまっているのだろう。
私はこの年齢になったからはっきり言える。
生きていくうえで、何に喜び幸福を感じるか。
自分ひとりだけでは幸福にはなれない。
他の誰かを幸せにしなければ。
自分の持てる力を発揮して
社会のために尽くすのだ。
子どもたちは問うべきだ。
一人一人が、
今なぜ大きく力をつけ、
成長していかなければならないのか。
その答えも、そこにある。
さて、話題は変わって最近読んだ本の紹介。
友達についてしまった小さなウソ。
それが原因で熊本から東京に
行くことになった主人公。
それは人生の価値観を変える旅となった。
おススメです。