できない理由がわからないあなたへ
映画やドラマでよくある場面だけど、
囚われの身になってしまって、
どうすることもできない主人公が、
監視の目を盗んで腕立て伏せとか腹筋とかをやっている。
あるいは、なにかガラスのかけらだとか金属の破片を、
少しずつかたちを整えて、鍵とか武器をつくりあげていく。
私はこういう場面が大好きだ。
「なにもできない」ところでも、「なにかができる」。
必死で生きよう戦おうとしている人は、それをしている。
「なにかができる」と確信して
それをしていることは
それ自体が能力だと思う。
サバイバル能力と呼べるだろう。
拷問を受けたり、
閉じ込められたり、
食べるものも満足に与えられない状態で、
筋肉を落とさないようにするなんてことが
実際にどこまでできるのかは分からない。
しかし、それをしようとすることに意味がある。
あきらめなければ
可能性はゼロにはならない。
目の前にある状況から
「いまできること」を考えて、
それを「実行する」というのは、
ほんとうにかっこいいことだ。
受験に話を移そう。
休み時間に暗記物をやっている人。
移動時間(塾とか学校への)に学習内容の思い出しをしている人。
苦手な早起きをして過去問を解いている人。
暗記物をノートに書く作業的なトレーニングをすることで
学習への取りかかりの遅さをカバーしている人。
これらの人たちも
「何かができる」と考えて
取り組んでいる受験サバイバーたちだ。
「成績が上がりません」
話を聞いてみると
北辰テスト当日の自己採点もやっていないし、
時間の使い方もダメ、
でも、
「成績をあげたい」とか
「志望校にどうしても合格したい」
という。
「がんばります」というけれど
それじゃあ世の中にたくさんいる「口だけ番長」にすぎない。
できる人は、
試験範囲というやるべき地図を頭に叩き込んだうえで、
今、この瞬間にできることを探してそれをやっていくから、
できるのだ。
おそらく
「口だけ番長」たちに
さっきの映画の場面、
自分だったらどうすると訊いてみると
「縛られているから何もできません」
「監視されているから何もできません」
って答えるだろうな。
それが
あなたのできない理由だよ。