トウモロコシと空気感
学校選び、塾選びなど環境選びに正解はないと私は思っている。
正解は自分が作りだすものだと思う。
入ってからの取り組み次第で
正解にできるし、不正解にもなりうる。
ただ、昔読んだ英語の文章問題にはとてもいいことが書いてあったのでよく覚えている。
生き方であれ、環境選びであれとても参考になると思う。
こんな感じの内容だ。
ある国にトウモロコシ作りの名人がいた。
どうして良い作物を作れるのか。
秘密を探っていくと、
彼が自分の農場でとれた良質の種を惜しみなく隣近所に与えていたことが分かった。
なぜ?
彼は明快に語った。
トウモロコシの花粉は風によって、
あちこちの畑に飛ばされる。
ゆえに近隣の人が品質の悪いものを作れば、
受粉によって自分のトウモロコシの品質も下がる。
良いものを作るには、
皆が良いものを作れるように手伝わなければならないと。
学力を向上させるのは
自身の取り組み次第であるのだが、
皆で向上していこうという雰囲気も大切だと思う。
「空気感」と私は呼んでいるのだが
その空気感は多感な生徒たちには大切な要素かもしれない。
サッカーの選手たちが、強い海外のチームに加入したり、
野球選手がメジャーリーグを目指したりするのは、
そこにはみんなが共有する「よい花粉」があるからだ。
みんなが強くて、強くなろうとしていて、憧れたり、
悔しがったり、学んだり、教えたり、練習したりしている。
そこに競争の要素ももちろんあるけれど、
重要なのは「場の空気感>競争」のほうなのだと考える。
合格ラインなんかは毎年大きな変化はない。
上位校ほどそうだ。
だとしたら、みんなでそのラインを超えてしまえばいい。
自分が成長するためには
周囲も成長しなければいけない。
そこはトウモロコシも学習も同じ。
うちの塾でもそんな空気感は大事に育てていきたい。
まだまだ寒さが厳しいけれど
何となくわかる。
春は近い。
今こそ、希望の種を蒔くときだ。