読解力の先

国語の授業でのこと。

 

単元確認テストでなかなか合格ができない生徒がいた。

 

どうしても答えがみつからないと言う。

 

何度も答えを書きなおしてはやり直す。

 

都度ヒントを与えた。

 

少しずつ近づいていく。

 

ついに正解にたどり着くことができた!

 

そこで初めて解説を読ませてみた。

 

なるほど、模範解答に納得してくれたようだ。

 

本物の読解力は地道な努力を続けていくなかで身につくものだと思う。

 

正当のヒントや根拠は必ず文中に書かれている。

 

だから丹念に読んでいけば、必ず見つかる。

 

これは読解問題だけでなく

 

推理小説も同じだ。

 

 

作家のヴァン・ダインは、

 

推理小説が守るべき「20の法則」を残した。

 

その一つ目は

 

全ての手掛かりは少しも隠すことなく読者に示されなければならない”。

 

丹念に小説を読めば、自分にも犯人を発見できたのに――。

 

なるほど、そのような読後感こそ推理小説の醍醐味といえよう。

 

 

 

 

読解問題や推理小説とは違うのだが、

 

こんな話がある。

 

お釈迦様の晩年のこと。

 

弟子の阿難は、

 

お釈迦様がまだ明かしていない法を説くことを期待していた。

 

すると、お釈迦様は

 

「わたくしは内外の隔てなしに(ことごとく)理法を説いた」と。

 

根源的問いへの答えを、

 

隠された特別な法などなく、

 

全て明かし切ったことをお釈迦様は示したのである。

 

 

 

国語の読解問題も

 

推理小説も

 

人生の根源的な問いも

 

丹念に読んで考えていけば

 

答えにたどり着くことができる。

 

そのためには途中で投げ出さないこと。

 

ムリだとあきらめないこと。

 

国語の読解問題や

 

推理小説を丹念に読むことで

 

そんなことまでもが鍛えられるって知っているか

 

知っていないかで人生に大きな違いがあると思う。

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