あきらめない
「百折千磨」という言葉がある。
さまざまな苦労を重ねるという意味だ。
昭和時代を代表する将棋棋士の大山康晴氏が、
タイトルを失った時の思いを、
この言葉に託して語った。
「自己を磨くこと、
それが『百折千磨』であり、
負けても負けても立ち上がるのが
『七転八起』」と。
大山氏は「名人」18期をはじめ、
通算80ものタイトルを獲得。
50歳を超えてからのタイトル奪還もあった。
将棋界から初めて文化功労章を受章している。
棋上の激戦を幾度も経験した氏は
「最後まで勝ちをあきらめない。
いつしか、習性みたいになっている」と述べている。
負けた時にどう行動するかで、
その人の真価が分かる。
負けた時に勝つ原因をつくる人もいれば、
勝った時に次の敗因をつくる人もいる。
最初からずっと勝ち続ける人も偉い。
だが、一度負けても、
めげずに挑戦して次に勝つ。
そのほうが、苦労も大きい分、
偉大になれるのではないか。
何があっても、「心」だけは折らないこと。
勝っても負けても、生き生きと。
人生の勝敗は、途中では決まらない。
最後に勝つ人が、真の勝利者なのである。
「百折千磨」でいこう。