演説

選挙カーの遊説の音が響いている。

 

「学校や病院の付近では音は出しません」

 

とある議員の方から聞いたことがある。

 

病院はさておき

 

学校付近では

 

音量をおさえたうえで

 

音を出してもよいのではないだろうか。

 

普段聞きなれた日本語とは違う

 

選挙ならではの言葉を

 

実際に訊くチャンスでもあるのだから。

 

近所で街頭演説を実施しているのが

 

聞こえてきているときに

 

そんなことを考えた。

 

 

 

 

 

さて、

 

「演説」という言葉は

 

福沢諭吉による訳語だ。

 

「演説とは英語にて『スピイチ』と言い

 

(中略)我思うところを人に伝うるの法」

 

と学問のすゝめで解説している。

 

学問を習得しても

 

大衆のために語らない。

 

インテリ然と

 

ふんぞり返っているだけ。

 

そんな手合いに

 

諭吉は「活用なき学問は無学に等し」

 

「懶惰と言うべし」と手厳しかった。

 

やがて、

 

自身が創立した慶応義塾のキャンパスに

 

「三田演説館」を建設。

 

ここで、尾崎行雄や犬養毅など

 

多くの言論の雄を訓育する。

 

 

 

 

 

話術の巧みさだけではない。

 

彼らの力の源泉は『情熱』ではないだろうか。

 

その情熱もをって自分の言葉で語ったとき、

 

真の雄弁を生み

 

人の心を打つのだと思う。

 

 

 

 

 

日本語だけでなく

 

英語のスピーチだって同じだ。

 

優秀な翻訳アプリがあれば

 

内容を伝えることはできる。

 

でもスピーチの良し悪しを決めるのは

 

相手の琴線に触れる真心と情熱ではないだろうか。

 

その二つだけは生身の人間だけが

 

生み出すものだ。

 

こどもたちには

 

こういうことも

 

しっかりと学んでいって

 

諭吉の願ったような学問を活用できる人間に

 

成長してほしいと思う。

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