鳥のことば
動物の中で、言葉をつかえるのは人間だけではなかったのか。
つい最近読んだ文章にも言葉をつかえるのは人間だけだと書いてあった。
しかし、そうではなかったようだ。
シジュウカラは言葉を使っている。
そう語るのは、京都大学白眉センター特定助教の鈴木俊貴さん。
39歳、まだまだ若い。
今年8月にスウェーデンで開催される動物行動学の学会では、
基調講演を担当する。
そこで「動物言語学」の創設を提言するという。
新しい学問が誕生するかもしれない。
鈴木さんは、シジュウカラの鳴き声に、文法規則があることを発見。
ヒト以外の言葉の使用を実証した初めての例として、
国内外の研究者などから大きな注目を集めた。
「ピーツピ」(警戒しろ)、
「ヂヂヂ」(集まれ)、「ヒーヒー」(タカだ)など
、20以上の単語を組み合わせ、200以上の文章をつくる可能性があるという。
鈴木さんは語る。
「鳥たちは他の種類に言葉があることを認め、
理解してお互い助け合って生きている。
シジュウカラが何を考えているかわかると、
人間だけが人間の世界に閉じこもっていると、
感じるようになりました」
小さい頃から虫や魚を捕まえるのが好きで、
小学2年のとき、動物学者になりたいと文集に書き残したそうだ。
生きものが好きな人は、
この新しい動物言語学を研究してみてはどうだろうか。