雨
うっとうしい雨が続く。
だが、大地を潤し、実りをもたらす雨は喜びの源でもある。
甘雨、慈雨、瑞雨……辞書には「喜雨」という言葉もある。
ダビンチはこんな寓話を書いた。
――水は海にいるうち、ふと大気へ昇りたくなった。
火に誘われ水蒸気となって空高く昇り、
薄く冷たい空気の間に到着する。
だが、そこで火に見捨てられる。
縮み上がって塊になり、
天から墜落する。
乾燥した土に飲まれ、
高慢にも天昇にりたいと思った己の罪を悔いた。
科学者であり哲学者であった天才ダビンチにかかると、
雨は分析の対象にも、物語の題材にもなる。
同じ現象や風景も、人によって見え方は異なり、
何を学び、導き出すかは違ってくる。
どんなことからも、人は学び、価値を創造することができる。
そうと知れば、雨も楽しく、人生は刺激に満ちた劇場へと変わる。
さて、話は変わって中学校の教科書の話。
中学校の新しい学習指導要領は来年からだが、
それに伴って教科書も全面改訂される。
自動車で例えるならばフルモデルチェンジだ。
先日、新しい教科書を実際に見に行ってきた。
大きく変化している。
特に大きな変化だと感じたのは英語。
開隆堂のサンシャインイングリッシュコースについて。
・今までと習う順番が違っている。
・学年が前倒しになったものも多い。
・年度後半は今までになかった単元が登場。
例えば、2年生の最後の単元は現在完了進行形!
3年生の最後の単元は仮定法!
高校生の学習単元がおりてきているのだ。
一番驚いたのは、
主人公が・・・・・
由紀じゃなくなっていたこと・・・
来年度からは、例文を由紀という名前で出していたら時代遅れになってしまう。
絵は現在のニューホライズンのような感じ?になっていた。
一方、ニューホライズンは今よりもおとなしめの印象だった。
あくまで私の主観だけど。
来年度から数年間は過渡期に入ることになる。
現中1と中2は古い学習指導要領と新しい学習指導要領の両方で
学ぶ学年だ。
ゆとりに向かっていた時代と異なり、
ボリュームアップが顕著な今回の改定では、
下の学年におりてきた単元などは
習わないまま進級・進学してしまうことがありえる。
今年は新型コロナウィルスの影響で
公立高校入試問題の範囲削減が実施される都道府県もある。
一方で、一年後の公立高校入試では、
現在高校で学ぶ事項を使った教科書がベースに作問がなされる。
出題範囲のみの学習で中学を卒業してしまうのならば、
現中3と現中2の間には大きな違いが生じるであろう。