雑草
涼しくなってきたからだろう。
最近、通勤の国道沿いで、よく雑草狩りを行っている。
暑い時期にもやっていたのだが、
すぐに伸びてきてしまっていた。
今でさえ、刈らなければ成長するであろう生命力には驚かされる。
雑草は“たくましさ”を象徴する一方、
畑や庭の“邪魔者”という印象も強い。
だが今、雑草の力を役立てる研究が進む。
乾燥に強い能力を「砂漠の緑地化」に生かしたり、
畑の栄養を奪う高い吸収力を
「水質浄化」に活用したりするなど可能性は大きい。
「雑草とは、いまだその価値を見出されていない植物である」
と米国の思想家エマソンは言った。
この言葉に触れつつ、
農学博士の稲垣栄洋氏は
「雑草かどうかを決めるのは、私たちの心なのである」と。
“雑草”の烙印は人間の都合に過ぎない。
たしかに、私たちが雑草と呼んでいる植物が
上記のように役に立てるようになったら
それにより利益を受ける人々にとって
もはや雑草ではない。
人間でも同じだ。
どんな人にも必ず、短所も長所もある。
短所が、見方を変えれば長所である場合も多い。
全ての人を生かし、伸ばそうという「心」があるかどうか。
みんなが輝くことができるように願う。