限界の壁を超える勇気
1999年に米国のライフ誌が選出した
「この1000年で最も功績があった世界の100人」に、
マルコ・ポーロ、コロンブス、ダビンチ、
コペルニクス、シェークスピア、マルクス、アインシュタインらが選ばれた。
日本人では浮世絵の葛飾北斎が唯一選出されたユニークなリストに、
ただ1人アスリートとして名を連ねているのはロジャー・バニスター氏。
初めてその名前を聞く人も多いだろう。
彼はイギリスのアスリート。
彼の偉業は世界で初めて1マイル(約1600m)4分を切る記録を打ち立てたこと。
20世紀前半、この壁に挑むことは
その当時まだ誰もなしえなかったエベレスト登頂より困難とされ、
命にも関わると考えられた。
「人類の努力の限界」の象徴だった。
しかし1954年、遂に壁を破る若者が現れた。
それが英国のバニスター選手だったのだ。
オックスフォード大学の医学生だった彼は、
科学的トレーニングを導入し、
レースに二人のペースメーカーを使った。
すると、続々と4分を切る選手が現れた。
今では1000人以上という。
人は大抵、自分で壁をつくっている。
それを破るために必要なのは「勇気」である。
それも、周到な作戦と、
その作戦を実行する努力に裏打ちされた、勇気である。
やろう!――そう決めれば、自身の「人生の新記録」が目の前に開けている。
自身の壁を越えてみよう!