関係性のネットワーク
胎児はどうやって形作られていくのか。
興味深い話がある。
ある細胞が“脳になりたい”と声を上げる。
すると隣の細胞が
“だったら僕は心臓の細胞になる”と。
さらに隣は“骨の細胞に”
偶然性に支えられながらも
こうして互いに補い合う役割が決められていくという。
その過程を、生物学者の福岡伸一氏は
“話し合い”と呼んでいる。
仮に、
話し合っている最中の細胞の固まりを
バラバラにしてみる。
コミュニケーションが取れなくなった細胞たちは
自らの役割を見失い
ほとんどが死に絶えるという。
生命にはあらゆる可能性が存在している。
可能性が発揮できるのは
「関係性のネットワーク」があるからであろう。
それは、細胞レベルの中だけではなく
一個の人間にとっても言えることだ。
草木が太陽の光を得て
生命の力を開発していくように
あらゆるものの可能性は
他者との関係性のなかでこそ
現実の力へと発揮されていく。
励まし合い、意見をぶつけ合う切磋琢磨が
とても大切だ。
善意と誠実を忘れずに。
細胞だって1つだけでは
成長できない。
人間も同じなのだから。