見方を変えれば
ここに円錐がある。
横から見れば
三角形に見える。
上から見れば
円に見える。
それと同じように
人生における出来事も
視点によって異なる。
一つの面から見れば
正しいことも
ほかの面から見ると
違う場合がある。
若手社員として奮闘する青年。
だれよりも懸命に働いた。
無遅刻無欠勤。
まじめさには自負があった。
迎えた昇進の時期。
ほかの社員が昇進した。
なぜ?
納得できず退職も考えた。
先輩を訪ね、思いの丈をぶつける。
「君の言うことは分かる。
でも、君自身にも反省する点はなかったかい?」
はっとした。
自分の正しさだけを
頑なに信じていた。
自らに固執するあまり
周囲との協調性を欠いていたことに気付く。
彼はその後
忍耐強く働き
昇進できた。
視点が変われば生き方も変わる。
だが
一人でそれに気付くことは難しい。
フランスの哲学者パスカルは指摘する。
彼がその物事を
どの方面から眺めているかに
注意しなければならない。
彼が見る方面からは真である。
それを認めた上で
誤っているほかの面を見せることだ、と。
相手がどの視点から物事を見て悩んでいるのか。
それを理解し
新たな側面に目を向けさせる。
そんなことを考えながら
現在生徒面談実施中。