苦難の中にこそ
ウルトラマンを知らない人はいないだろう。
私は昔からウルトラマンが大好きだ。
光の国からやってきて地球を守る正義の味方は、
瞬く間に子どもたちの心をつかみ、
その後の兄弟シリーズも人気を博した。
「最も多く派生シリーズが誕生したテレビ番組」として、
ギネス世界記録にも認定されている。
円谷プロの公式ホームページをみてみたら
最初のウルトラQから最新作まで37作品だった。
ウルトラマンの生みの親・円谷英二監督は若いころ、
ミスをきっかけに、
予算も設備も調わない“格下”の映像制作に回された。
だが、そこで、少ない光量で撮影したネガを特殊現像で補正したり、
粗末なセットを立派に見せるなど、
数々の技術を編み出し、
後の成功の基礎を築いた。
“特撮はお金が掛かるのでは?”
と問われた円谷監督はこう答えた。
「冗談いっちゃ困るね」
「大体トリックというのは貧乏の生んだ知恵なんだ」
恵まれた環境がなければ、
よい成果が出せないとは限らない。
与えられた条件の中で、
知恵を絞り、
創意工夫を重ねる中で、
誰にもまねできないほどの作品さえ生み出せる。
苦難の中で、不屈の自己は磨かれる。
これは人生の真理だ。
学習も同様だ。
便利な教具や方法がたくさんあるのだが、
工夫したり苦労したりする中にこそ
成長の種はあると思っている。
ウルトラマンは、
地球では3分しか戦えなかった。
その厳しい条件を課されながら、
怪獣を倒した。
ここにも、名作となった理由があるのかもしれない。
ただし、日々の学習は3分だけではどうにもならないけれど・・・・・