自己限定
地面や床の上にある細い幅の線などを道に見立てて
それを踏み外さないように歩く。
子どもの頃、こんな遊びをした人も多いのではないだろうか。
その幅の道を歩くことはたやすい。
だが、もしそれが断崖絶壁に架かる丸太橋であれば、
恐怖で足がすくみ
一歩も進めなくなってしまうだろう。
工学博士の田坂広志氏は
そうした状態を「自己限定」の思い込みに支配されている現象と分析する。
たとえ力が備わっていても「不可能だ」と感じた途端
その能力は萎縮する。
肉体のみならず、精神的な力も同様だという。
体育はがんばっても3しかとれません。
こう言っていた生徒がいた。
でも勝負の1学期に彼女は変わった。
毎回の体育の授業中により一生懸命取り組んだという。
苦手な水泳を克服するために
短期でスイミングに通った。
もちろんペーパーテストもがんばった。
そうして迎えた1学期終業式。
もらった通知票には
体育の評価が
初の4!
その後、行きたかった高校へ無事進学。
体育は苦手教科ではなくなったそうだ。
本気の挑戦を通して、人は強くなれる。
やればできると信じ続けていれば
不可能と感じていた壁さえ越えることができる。