能力の専制から考察

日本もそうであるけれど

 

アメリカや中国、韓国など学歴社会である国では

 

有名校への進学がエリートの必要条件と考えられている。

 

このような風潮を支えてきたのは

 

いわゆる知的エリートが

 

自らの努力と能力で

 

熾烈な競争を勝ち抜いてきたという自負心だ。

 

この風潮は根強く残るだろう。

 

しかし、これに対して

 

ハーバード大学のマイケル・サンデル教授は

 

その著書『能力の専制』の中で

 

現代アメリカでは

 

エリートに浸透したこの風潮の行き過ぎが

 

大多数の市民へのエンパシーの喪失や

 

公共益への貢献という使命感の希薄化をもたらし

 

社会的分断の要因のひとつになっているのではないか

 

という懸念を示している

 

哲学者ヘーゲルの

 

「労働市場は承認を求める闘いである。

 

労働市場は必要性(消費)を効率よく満たすシステムである以上に

 

承認のシステムである。

 

このシステムは所得によって労働に報いるだけでなく

 

各人の労働を共通善(Common good)への貢献として

 

公に承認するものである。」という考え方を援用して

 

サンデル教授は次のように述べている。

 

我々が人間として最も充実するのは共通善に貢献し

 

その貢献によって同胞である市民から評価され承認される時である。

 

 

 

 

 

 

 

価値観が多様に存在する中で

 

全ての人が幸せで持続可能な生活を営むことができる社会を創ることは

 

とても難しいこと。

 

社会の中で生きていく上でより大切なのは

 

人とつながり協働して『私たちの最適解』を求める力だ。

 

入試問題とは違う『解』のない課題に立ち向かう気概を

 

持ち続けることが重要視されている。

 

 

 

 

 

 

これから受験や就職に向かう生徒たちは

 

社会がどのような方向を目指しているとか

 

どのような人材を欲しているとか

 

それを理解することが大切だ。

 

相手の立場でモノを考えられない人は

 

成功することが難しいのだ。

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